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配偶者の不倫相手に慰謝料を求めたい・・・

【事例】私は、夫と結婚し15年になりますが、調査会社に調査を依頼したところ、1年ほど前から、会社の部下の女性と性的関係をもった交際を続けていることがわかりました。夫との離婚は望んでいないのですが、不倫相手の女性に対し慰謝料請求をすることができるでしょうか。

 

【答え】配偶者のあるものは、不貞行為(配偶者以外の異性と性的関係を持つこと)を行わない義務が法律上課されています。その結果、第三者が配偶者と不貞行為を行った場合、他方配偶者はその第三者に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます(最高裁判所昭和54年3月30日判決)。なお、ここでは問題なっていませんが、離婚の原因にもなります。

 

 しかし、いかなる場合においても慰謝料請求が認められるわけではありません。不貞行為が行われたときに、既に夫婦の婚姻関係が破綻していた場合には、特段の事情のない場合、慰謝料請求をすることはできないと考えられています(最高裁判所平成8年3月26日判決)。

 また、不貞行為の発端が不定配偶者が暴行脅迫を加えて関係を強要したというケースで、妻から不貞の相手方女性に対する慰謝料請求が認められなかったというものもあります。

 

 損害賠償請求をするにあたっては、必ずしも裁判所の手続き(調停や裁判)を利用する必要はありませんが、当事者間での合意ができない場合、裁判所の手続きを利用せざるを得ないでしょう。

 

 法律相談において最も質問が多いのが、具体的な慰謝料の額です。慰謝料の金額は、不貞の相手方が配偶者との関係にどれだけ積極的に関わったか、婚姻生活がどう影響されたか(離婚をする羽目になったかどうか)、不貞行為をしていない配偶者の落ち度の有無程度、不貞の態様、子供への影響、反省・謝罪の有無など、様々な要素が影響して決せられます。

 具体的な金額については一概には言えませんが、概ね200万円から300万円程度が一応の目安になるでしょう。不貞の態様によっては50万円しか認められないこともあれば、1000万円以上の高額慰謝料が認められることもあり得ます。

 

 慰謝料の額については、参考になる裁判例もありますので、法律相談などで弁護士に相場を聞くことを検討してもいいかもしれません。